知恵ノート「ゴルフの基本」


  • 第1稿 「ゴルフの基本-スイング軌道-
  • 第2稿 「ゴルフの基本-インパクトの基本-
  • 第3稿 「ゴルフの基本-腕の返しとコックの効果-
  • 第4稿 「ゴルフの基本-スイングの基本と練習法-
  • 第5稿 「ゴルフの基本-シニアゴルフ- 
  • 第6稿 ゴルフの基本-総まとめ-

第4稿 ゴルフの基本-スイングの基本と練習法-

前稿までに,プロのスイングの動画とスイング軌道に基づいてインパクトヘッド軌道,腕の返しとコック・アンコックの活用,スイングプレーン,下半身(足腰)主導のスイングなどスイングの基本について検討してきました.
しかし,基本が頭では理解できたとしてもすぐに基本通りのスイングができるとは限りません.スイングしたとき実際にどのようなスイングになっていたかは自分ではなかなかわからないものです.コーチなどに見てもらっても微妙なところまでは正しく指摘してもらえません.また,スイングの基本はいろいろあり,それらすべての基本を同時に意識してスイングすることなどできるはずがありません.スイング中に意識できることはせいぜい一つか二つだけのようです.だから,スイングの基本のほとんどは体で覚えて無意識でスイングできてしまうようにしなければなりません.これがスイングの学習,スイング造りというものです.
われわれの体は,同じスイングを何回も繰り返していると体が覚えてしまい,無意識でそのスイングができてしまうようになるようです.だから,練習によりスイングの基本を一つひとつ体に覚え込ませなければなりません.ただし,基本から外れた悪いスイングを繰り返していると体はそれを覚えてしまいますから注意が必要です.
以下では,スイングの基本を身につけるための練習法について検討します.

 アドレスとスイングプレーン 

アドレス1.jpg

 スイングの基本状態

6つの基本状態の提案です.左の写真は8番アイアン,右はドライバーです.次のアドレスの基本状態を除く5つの基本状態ではグリップ部(手)とクラブヘッドの両方がスイングプレーン上に載っています.これらの基本状態を経由するようにスイングすればプロのスイング軌道と同じになります.黄色の縦線はボールの位置を示しています.この6つの基本状態では頭の位置や顔の向きはほとんど同じでボールをよく見ています.すなわち,回転中心(両肩関節の中央)がほとんど動いていません.
① アドレスの基本状態アドレス.jpgクラブヘッドだけがスイングプレーン上に載っています.この状態から次のバックスイングの基本状態を目標にグリップ部(手)はほぼ右真横に引かれ,クラブヘッドは腕の返しとコックの効果でスイングプレーン上で振り上げられます.
② バックスイングの基本状態 バックスイング.jpgグリップ部(手)が回転中心の右真横で同じ高さになった時の状態です.ここでグリップ部(手)もスイングプレーン上に載ります.
③ トップ付近の基本状態 トップ付近.jpgダウンスイングへ切り返される状態です.バックスイングの基本状態の後それまでのクラブヘッドの動きに引っ張られて(慣性で)グリップ部(手)もクラブヘッドもスイングプレーン上に載ったままです.この状態からグリップ部(手)がボールに向けて振り下ろされるようにダウンスイングが始動され,前稿で説明したようにグリップ部(手)とクラブヘッドの両方がスイングプレーン上に載ったままインパクトの基本状態に向けて振り下ろされます.
 ④ ダウンスイングの基本状態ダウンスイング.jpgグリップ部(手)が回転中心の右真横で同じ高さになった状態です.右脇が締まっていて右肘は脇腹の近くにあり,アンコックがあまり進められずにコックが十分に残っています.
 ⑤ インパクトの基本状態Impact.jpg右脇が締まっていて右肘は脇腹の近くにあり,ハンドファーストな体勢でアンコック完了直前の状態です.
⑥ フォロースルーの基本状態フォロースルー.jpgインパクト後にグリップ部(手)が回転中心の左真横で同じ高さになった状態です.インパクトまでの動きの慣性によりこの状態までグリップ部(手)とクラブヘッドの両方がスイングプレーン上に載っています.アドレスからこの状態のあたりまで頭の位置と顔の向きはほとんど変わっておらず,ボールのあったところをしっかり見ています.

 素振りスイング練習

実際にボールを打ってスイング練習するのももちろん必要ですが,ボールを打たない素振りスイング練習もスイングの基本を身につける上で非常に効果があります.基本の一つひとつに意識を集中して練習できるからです.
ボールを打つスイング練習だけではボールを打つことに意識が集中してしまってスイングの基本についての意識が不十分になります.また,基本から外れたスイングを繰り返すことでよくないスイングが身についてしまうかもしれないからです.
  • スローモーション素振りスイング
すぐ上で提案した6つのスイングの基本状態の一つひとつを確認しながらの素振りスイングです.最初はそれぞれの基本状態で静止してその状態を確認しながら超スローモーションでスイングします.そして,だんだんに静止時間を短くしてスムーズなスイングにしていき.またスイングスピードも上げていくようにします.
このような素振りスイングを忍耐強く繰り返していれば,体がスイングの基本状態の一つひとつを覚え,あまり意識しなくてもプロのようなスイング軌道でスムーズなスイングができるようになるはずです.
  • 回転中心不動のスイング
回転中心(両肩関節の中央)を動かさずにスイングすればスイング軌道が安定するはずです.普通は,この回転中心の位置や動きを意識するのは難しいので,これと近い頭の位置と顔の向きをできるだけ動かさないよう意識してスイングすればよいでしょう.これは,最も重要なスイングの基本の一つです.
なにしろ,インパクトのあたりのヘッド軌道が5ミリメートルほどずれても当たりが変わってくる微妙な世界です.頭の位置や顔の向きを動かさないスイングを身につけなければなりません.
なお,頭の位置や顔の向きをいつも同じように同じだけ動かすようにしてもよいようですが,一打ごとにライの状況や足場の傾斜などが変わる実際のコースではそのようなことは無理です.頭の位置や顔の向きを動かさないようにするのが一番です.
さて,頭の位置や顔の向きの微妙な動きはなかなか感じられないものです.そこで,練習法を一つ提案します.クラブを持たずに,壁や柱に額を押し当ててアドレスして素振りスイングしてみます.頭の位置や顔の向きの微妙な動きも感じられるはずです.室内でもできる簡便な練習です.忍耐強く繰り返して頭の位置や顔の向きを動かさないスイングを体で覚えてしまうことが肝要です.
また,アドレスのチェックにもなります.両膝の曲げ方とか前傾姿勢が適度でないと頭の位置や顔の向きを動かしてしまうでしょう.

 スイングコントロール

素振り練習だけでも基本に近いスイングになりますが,これだけでは不十分です.実際にボールを打つスイング練習を繰り返して,インパクトの感触やボールの飛び方などから腕の振り方や腕の返し,アンコックなどの進め方を微調整しなければならなおからです.
  • 下半身(足腰)主導のスイング
前回の知恵ノート第3稿でも説明しましたが,下半(足腰)主導でスイングしなければなりません.最も重要なスイングの基本の一つです.腕を振るとき,腰や上体(肩)を回さずに腕を振るのと両脇を締めるなど全身を適度に一体化して腰を回して腕を振るのとでは後者の方がスイング軌道の安定性や力強さの点で優ります.腕を振るだけのスイングでは自由が利きすぎで不安定になるし,下半身(足腰)の強い力が活用できないからです.
身体各部に適度の力を入れて全身を一体化し,下半身で腰を回してダウンスイングすれば,腰が回るのに適度に遅れて上体(肩)が回り,さらに適度に遅れて腕が振られ,プロのようなスムーズなスイングになります.このとき,両脇の締めなど全身の一体化や腰の回し方,上体(肩)の回し方,腕の振り方などを必要に応じて少しだけコントロールして基本のインパクトになるようにすることが肝要です.筋力や柔軟性などの個人差などによるところです.
  • 腕の返しとアンコック
ダウンスイングで腕の振りに腕の返しとアンコックの進み方を合わせて基本のインパクトヘッド軌道にするスイングコントロールも最も重要なスイングの基本の一つです.
しかし,腕の振りの場合と同様,腕の返しとアンコックを意識的に進める必要はありません.なぜなら,腕が振られてクラブヘッドのスピードが上がるにつれて強い遠心力の効果で腕の返しとアンコックが自然に加速されて進められてしまうからです.したがって,腕の返しとアンコックのコントロールはもし必要としてもほんの少しでよいことになります.クラブは,プレイヤーの筋力や柔軟性などに対して重すぎたり軽すぎたりするのでなければこうなるように設計されているようです.
  • ハーフスイング
力を入れすぎたりスイングを大きくしすぎたりするのはスイングの安定性を損なうのでよくありません.この意味で,スイング幅やスイングスピードを控えたハーフスイングはスイングの基本を身につける上でも非常によい練習になります.
スイング幅やスイングスピードの一番大きいハーフスイングをフルスイングとするとよいでしょう.スイング幅やスイングスピードを小さくすればアプローチショット,さらに小さくすれば距離の短いショートアプローチのショットになります.
スイング幅やスイングスピードが小さくてもインパクトの基本状態の体勢で力強い加速インパクトという基本は同じです.ただ,腰も大きく回せなくなりますので,インパクトの基本状態に近い体勢でアドレスします.バックスイング幅も小さいのでコックは大きめにします.ダウンスイングでは,腕(グリップ部)の振りに対してアンコックが早めに進んでしまうので,コックを保つような意識でアンコックの進みを抑えてやるようにスイングコントロールします.

以上のようなスイングコントロールも繰り返し練習していれば体が覚えて自然(無意識)にできてしまうようになるでしょう.多少の個人差はあるにしても老若男女誰もが守らなければならない基本と思います.次稿ではシニアゴルファーのスイングについて検討します.

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