青春ど真ん中スポ根絵巻も第二部突入! 新キャラ盛りだくさんでお送りする、新章開幕であります。
濃い口のキャラクターをザラッと紹介しつつ、後輩ができたことで一皮むけた主人公を頼もしく描き、謎めいた存在だった翔の内面に踏み込んでいく。
展開を引っ張る牽引役としてコーチのキャラも立って、なかなかいいリ・スタートだったと思います。

ヤンキー三兄弟にブレイクダンサー兄弟、京都人な中国人にお調子者のブロッコリー、真面目ボーイに乙女系男子。
どっさりと新入りが入る回でしたが、一番目立っていたのは高城専属コーチだったと思います。
これまでも厳しくも本質を見抜き、やる気を折らないコーチング技術を見せていましたが、新展開の波に乗って『身内』になった途端、ハイレベルな視点からの問題提起、高い目標設定と組織づくり、個人の適性をよく見た指導と、デキる部分をむき出しにしてきました。
コーチが優秀だと、これまでカズと翔が担当してきたメンター役を全て任せて、プレイヤーとしての問題点を掘り下げに行けるわけで、物語展開の意味でもありがたいよね。

コーチは指導者であり熟達者として、ド素人どもに上から声をかけ、引っ張り上げる指導法をしています。
しかしただえばり散らすだけではなく、その指摘は的確だし、BREAKERSがより強く輝けるよう、具体的な目標を設定し、情熱を共有し、それを支える組織づくりもテキパキこなす。
腕もいいけど、『この子たちを上手くしたい、より自分らしくステージに立てるようにしたい』という気持ちが行動に伴っていることが、キャラへの信頼感に繋がっています。
散々厳しいことを言っておきながら、『気持ちの表現はしっかり伝わってきた。技術は習得できるものなんだから、これから幾らでも巧くなれる』とまとめてモチベ上げるのは、巧いしアツいよね。
ミゾのくっだらないギャグに思わず笑ってしまう可愛げもしっかり見せてきて、一話で一気に好きになるキャラ掘りあげたなぁという感じがしますね。


コーチがチーム全体を支えてくれることで、他のキャラクターたちものびのびと自分の物語を走り回っていました。
特にハルが今回見せた覚醒は非常に気持が良くて、控えめな部分が第1部では目立っていた分、先輩としてモチベーターとして前に出ることをためらわなくなった姿が、とにかく頼もしい。
元々持ち合わせていた強みを殺すことなく、経験を積み上げて人間が変化していくさまは、やっぱ物語の醍醐味だよなぁ。
その変化が、過去の経験に怯えている翔を受け止め、より前向きな方向に進むのを後押しするっていう連鎖も、最高に気持ちがいい。
こういうポジティブな変化が素直に書けるのは、王道を真っ直ぐ進むこの物語の強いところだ。

ハルの変化にはいろいろ理由があると思います。
先輩という立場が出来たこと、BREAKERSという組織が学園祭を舞台に一つの成果を出したこと、仲間との絆が深まってきたこと、その結果翔のトラウマに踏み込む勇気が湧いたこと。
変化を促す要因を手際よく、しっかり描写しているので、覚醒も急な感じがなくて、むしろ『来るべきものが来た』という充実感がある。
この変化がどこに行き着くべきか、『カズを越えろ!』という具体的支持が既に出ている事も含めて、主人公を魅力的に使う展開だなと思いました。
感情が高まりすぎて意味分かんない行動に出るトンチキさも含めて、今回のハルはぐっとエンジン吹かしてきた感じあったなぁ。

そんなハルが受け止めるヒロイン・翔はトラウマの根源を告白し、なかなかめんどくさい事情を明らかにしていた。
信頼感がチアーの演技をつくり上げると描いた以上、それが壊れてしまっている今の翔が実演技に参加できない描写には説得力があり、同時にチアーへの情熱も濃く描かれているわけで、『うぉお! こいつの悩み、どうにかしてやってくれ!!』という心地よいジレンマが見事に作られている。
これを解決してくれそうなのが、前に出ることをためらわな無くなった主人公なこと含めて、翔周りのクエストは非常によく出来ていると思います。
さらに上を目指さなければいけないBREAKERSにとって、翔が復活できたら大きな助けになるだろうなぁと思わせてるところも、非常に上手いね。


翔もそうなんですが、新入りも基本的にはチアに真っ直ぐなアホどもで、『こいつらが報わえないのは嘘だよなぁ……』と思える作りになっているのは、凄く良いと思います。
何度も言いますが、どーでもいい奴がどうなろうと心底どーでもいいわけで、キャラクターの物語にのめり込ませるためには、『こいつはどうでも良くない』と思わせる要素をしっかり表現するのが大事なのだな。
第一部で翔がツンツンしているけど根はイイやつだったり、ド素人集団の面倒見をちゃんとやってくれたり、『どうでも良くない』部分をちゃんとかけたからこそ、今回の個別エピソードが光るわけだね。

そんな新入りの中で、ブロッコリーだけがC調に思える感じですが、真面目な堅物くんと来週衝突しそうだなぁ。
ガチ勢とエンジョイ勢の対立は、巧く処理すると部活モノとしてのリアリティがぐんと高まる要素だと思うので、どう料理するか今から楽しみです。
他の新入りも濃い目のキャラをざっとなぞって、名前は覚えられないけど記号は知ってるという状況を作ってました。
とにかく人数が多いので、判りやすい記号一個まず覚えさせた後、メインストーリを展開させつつ掘り下げていくのかな。
イチローとゲンの間にあるコンプレックスみたいに、イカにもなキャラの奥にあるものを印象的に描くと、記号と内実のギャップが生まれて話の深みが出てくるわけで、そういう手際にも期待ですね。


そんなわけで、新入りいっぱい新章開幕でした。
牽引役兼調整役になるコーチのキャラをまず一本立ちさせ、彼女に引っ張られる形で翔とハル
の物語を展開しつつ、本筋の合間で新キャラの記号も見せる。
いろんな事をやりつつ軸がハッキリした、チア男子っぽいお話だったと思います。

新しい仲間が増えたということは、新しい問題と新しい可能性が増えたということ。
全国大会という高い目標が定まったBREAKERSが飛躍するためには、これを一つ一つクリアしていくことで、成長の説得力を積み上げていくが大事だと思います。
とりあえず堅物まじめくんVSお調子者のブロッコリーがバチバチしそうですが、どういう味付けで仕上げてくるのか。
今回積み上げた翔とハルの絆をどう活かすのか。
来週もとても楽しみであります。